令和3年度 午前 第25問刑法 · 強盗罪

強盗罪に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。

  1. ア

    Aは、Bに対して暴行・脅迫を加えて手提げバッグを強取しようと考え、まずは、Bの足下に置かれていた当該手提げバッグを手に取り、次いで、Bに対し、その反抗を抑圧するに足りる程度の暴行・脅迫を加え、Bの反抗を抑圧して当該手提げバッグの奪取を確保した。この場合、Aには、強盗罪ではなく、事後強盗罪が成立する。

  2. イ

    Aは、Bから麻薬購入資金として現金を預かっていたが、その返還を免れようと考え、Bに対し、その反抗を抑圧するに足りる程度の暴行・脅迫を加え、Bの反抗を抑圧し、その返還を免れた。この場合、Bは当該現金に関する法律上の請求権を有しなかったのであるから、Aには、強盗利得罪は成立しない。

  3. ウ

    Aは、Bから金銭を借りていたが、その支払を免れようと考え、Bに対し、その反抗を抑圧するに足りる程度の暴行・脅迫を加え、Bの反抗を抑圧し、事実上債務の弁済請求ができない状態に陥らせた。この場合、Aには、強盗利得罪は成立しない。

  4. エ

    窃盗の未遂犯であるAは、当該犯行を目撃してAを取り押さえようとしたBに対し、逮捕を免れる目的で、その反抗を抑圧するに足りる程度の暴行・脅迫を加え、Bの反抗を抑圧し、逮捕を免れた。この場合、Aには、事後強盗既遂罪ではなく、事後強盗未遂罪が成立する。

  5. オ

    Aは、怨恨からBを殺害したが、その直後に財物奪取の意思を生じて、Bの所持品を奪った。この場合、Aには、強盗殺人罪は成立しない。

1 アイ2 アウ3 イオ4 ウエ5 エオ

正解:5(エオ)

注意書き
  • 以下の試験問題については、国際物品売買契約に関する国際連合条約(ウィーン売買条約)の適用は考慮しないものとして、解答してください。

出典:法務省「令和3年度司法書士試験問題」を加工して作成